フロイト著作集第１巻

ざっとみた範囲での翻訳正誤表

『精神分析入門』

第２６講

　

著作集ｐ３３９／新潮文庫新版ｐ１３７

両者が対等の関係で現れることはなく、性の欲動は形式上自我の欲動に服従し、やむを得ず退行という迂路を通って満足を求めるけれども、この場合にも、性の欲動は自分が結局征服されるものではないということのなかに、敗北に対する補償を見出している

両者は対立したものとして現れることがあり、性の欲動は形式上は服従し、やむを得ず退行という迂路を通って満足〈＝解消〉を手に入れるけれども、この場合にも、性の欲動は自分の制圧不能性Unbezwingbarkeitのなかに、敗北に対する代償を見出している

　

両者が生の必然という教育者に対して

両者が窮迫Notという教育者に対して

　

・不安という感情状態（著作集）

・不安という情動状態（文庫）

文庫の方をとる

　

満足させられなかったリビドーが不安に転化することは

満足させられなかったリビドーが不安に変換Umsetzungすることは

　

文庫ｐ１３８

・個体の特異な活動としての性愛生活の存在は動かすべからざる事実だからであります。問題はただ、われわれがこのような区分にどのような意義を与えるか、またこうした区分を、どの程度まで決定的なものとするかにあるのです。

・個体の特殊な活動としての性生活は実在するものであるからです。問いがたてられるとすればただ、われわれがこのような区分にどのような意義を与えるか、またこうした区分をどの程度まで決定的なものとするか、という点のみです。

　

性の欲動が身体的ならびに精神的現象として

性の欲動が、身体的ならびに精神的な表出物Aeusserungとして

　

・この両欲動群の本質的な差異は充分には把握できないので

・この両欲動群の本質の差異は、それ以外にはuebrigens〈＝表出物をみる以外には〉充分には把握できないので

　

著作集ｐ３４０

この両者は個体のエネルギー源に対する名称として

この両者は個体のエネルギー源泉に対する名称として

　

・われわれは、概念の背後にある生物学的事実を

・この議論は、それらの背後にある生物学的事実を

「それら」は、直前の「概念」をとるよりも、「両者」をとると考える方が意味がとりやすいように思われる。

　

・したがってユングの先例にならって、全ての欲動が根源的にはひとつだということを強調し、全てのことに発動するエネルギーを「リビドー」と名づけてみたところで、

・ユングの先例にならって、全ての欲動が根源的にはひとつだということを強調し、全てのことに発動するエネルギーを「リビドー」と名づけてみることも、やはり

　

文庫ｐ１３９

性愛生活の原動力のために

性生活の原動力Triebkraefteのために

Triebkraefteは「欲動力」とも訳せよう

　

・実に性愛こそは

・実に性こそは

ここは生物学的な文脈なので特に指摘する。

　

そして結局は、自分自身だけを大切に考えて、自己の性愛を他の諸欲動と同じくおのれの満足をうるための手段とみる個体などは

そして結局は、個体は自分自身だけを大切に考えて、自己の性をそれ以外のものと同じくおのれの満足をうるための手段とみていますが

　

著作集ｐ３４１／文庫ｐ１４０

感情転移神経症

転移神経症

このあとの「感情転移」という語全てを変更。

　

その発動の仕方の相違に基づいて

その表出物Aeusserungの相違に基づいて

　

自我がその性的欲求の対象に向けた

自我がその性的志向の対象に向けた

　

文庫ｐ１４１

心的な諸力の活動に関する最初の洞察をうることができたのです

心的な諸力の駆動装置Getribeに関する最初の洞察をうることができたのです

　

さまざまの組織からなる自我の構成、それらの組織の構造と機能の実体は

さまざまの体制Organisationenからなる自我の組み立てZusammensetzung、それらの体制の建造Aufbauと機能様式は

　

この反射的な方向転換

この反射的な反転Rueckwendung

　

・恋愛生活の場合に

・愛情生活の場合に

以下同様

　

著作集ｐ３４２

精神病の一特徴を、正常な恋愛生活と関連を持たせることによって

精神病性疾患の一特徴を、正常な愛情生活と関連を持たせることによって

　

文庫ｐ１４２

すなわちこれらの対象によって満足を得ようとする欲求の表現であるリビドーがこの対象を捨てて、自我自身をもってこれに代えることがあるという考えに

すなわちこれらの対象によって満足を得ようとする努力Bestrebenの表現であるリビドーがこの対象から離れて、自らの自我をもってこれに代えることがあるという表象に

　

リビドーのこのような処理法に

リビドーのこのような配属Unterbringungに

Unterbringungには、１格納、２収容、３配属の意味があり、ここではいずれでも意味が通るように思われるが、著作集の「処理法」という意味はない。

　

・通例ならば自己以外の性的対象に注ぐ情愛のすべてをあげて自己の身体に注ぎこむのです。

・通例ならば自己以外の性的対象に費やすaufwenden情愛のすべてを自己の身体に付与するbedenkenのです。

　

対象の代わりにこのように自分の肉体ならびに自己一身に

対象の代わりにこのように自分の肉体ならびに自らの人格に

　

自体愛はリビドー処理のナルシシズム的段階における

自体愛はリビドー配属Unterbringungのナルシシズム的段階における

　

文庫ｐ１４３

それをみなさんによくわかるように説明することにしましょう

それを表象してみることにしましょう

　

以上のような諸観念の助けを借りて

以上のような諸表象の助けを借りて

　

著作集ｐ３４３

恋している時とか

惚れ込みとか

　

睡眠状態は外界から面をそむけ、心の態勢を睡眠願望に合わせることにもとづく

睡眠状態は外界からの回折Abwendung、睡眠願望に合わせた構えEinstellungにもとづく

　

全く自己中心的な動機

全くエゴイスティックな動機

　　

利己的なものであれ（文庫）

エゴイスティックなものであれ（著作集）

著作集を取る

　

・それが自我の中へ引っ込められている状態である

・それが自我の中へ撤回zurueckziehenされている状態である

　

文庫ｐ１４４

自分自身に満足している

自分自身でよしとしてgenuegenいる

　

・ナルシシズムはエゴイズムにリビドーを付け加えたものであると考えます。

・ナルシシズムはエゴイズムにリビドー的に付け加わるものであると考えます。

　

個体の都合だけが問題となる

個体の利益だけが問題となる

　

対象によるリビドーの満足が自我の欲求の一つである限りにおいては、人は全く自己中心的でありながら、しかも強いリビドーの対象充当をもそのままに保持していることができるのです。その場合エゴイズムは、対象を追求する欲求が自我には何の損害も与えないように気をつけるでしょう。人は絶対的にエゴイスティックでありながら、しかも同時に極度にナルシズム的でもありうるのです。言いかえれば、対象欲求が非常に乏しいことがあるのです。そしてこのことは、またしても直接の性的満足においてか、あるいは性的欲求に由来するもっと高等な傾向、すなわちわれわれが「愛」と呼んで「官能的なもの」に対立させる慣わしになっているあの傾向においてか、そのいずれかにおいて起こるのです。

まず、対象によるリビドーの満足が自我の欲求の一つである限りにおいては、人は全くエゴイスティックでありながら、しかも強いリビドーの対象充当をもそのままに保持していることがあります。その場合エゴイズムは、対象への志向が自我には何の損害も与えないように気をつけるでしょう。逆に、人は絶対的にエゴイスティックでありながら、しかも同時に極度にナルシズム的なこともあります。言いかえれば、対象欲求が非常に乏しいことがあるのです。そしてこの事態が起こるのは、やはり直接の性的満足によるか、あるいは性的欲求に由来するもっと高等な志向、すなわちわれわれが「愛」と呼んで「官能的なもの」に対立させる慣わしになっているあの志向によるか、いずれかなのです。

　

文庫ｐ１４５

それは性的満足を追求しない点で

それは性的満足への志向を欠くという点で

　

著作集ｐ３４４

しかし完全な恋慕の状態では（著作集）

しかし完全な恋愛の状態では（文庫）

しかし完全な惚れ込みの状態では

　

一般に自我のもつナルシズムの一部を

一般に自我のナルシズムの一部を

　

「性愛的過剰評価」

「性的過大評価」

　

私がここにナルシズムと恋慕との経済的対立（著作集）

私がここにナルシズムと恋愛との経済的対立（文庫）

私がここにナルシズムと惚れ込みとの経済的対立

なお、この部分を含む文から段落が変わっている。

　

・その時ハーテムは終わりです／それでも私はくじを引き直し、　

・いまハーテムはもうおしまい〈＝死にそう〉です／それでも私はもう〈改めてくじで〉決めました

　

文庫ｐ１４７

抑圧された無意識が

抑圧された無意識的なものが

　

たとい自我に依存する対象充当が睡眠に都合のいいように全て停止されたとしても、無意識が

たとい自我に依存する対象充当が睡眠に都合のいいように全て回収einziehenされたとしても、無意識的なものが

　

著作集ｐ３４５

無意識が睡眠願望には服さずその充当を続けると仮定しなければ

無意識的なものが睡眠願望には服さずその充当を続けるという仮定を挿入einfuegenしなければ

　

無意識が夜間に検閲の中止や低下を利用できることや、「昼の名残」をわがものとし、これを素材として禁じられた「夢の願望」を形成することが

無意識的なものが夜間に検閲の揚棄Aufhebungや低下を利用できることや、昼の名残を征服bemaechtigenし、これを素材として禁じられた夢願望を形成する術を知っていることが

　

昼のなごりがリビドーの撤収にある程度抵抗できるのも、この抑圧された無意識との

昼のなごりがリビドーの回収Einziehungにある程度耐性Resistenzをもつのも、この抑圧された無意識的なものとの

　

夢の形成に関するわれわれの見解の中へ遅ればせながら挿入しておきたい

夢の形成に関するわれわれの見解の中へ事後的に挿入einfuegenしておきたい

　

文庫ｐ１４８

引き上げられたリビドーは

回収einziehenされたリビドーは

　

リビドーの対象からの引き上げには、利己的な関心の外界からの離反よりも

リビドーの対象からの撤収Abziehungには、エゴイスティックな関心の外界からの回折Abwendungよりも

　

われわれには病気と認められないのに

われわれの知覚には病気と認められないのに

　

対象リビドーは自我の中に戻ってくるという仮定によって

対象リビドーは自我の中に遊走するWanderungという仮定によって

　

自由に移動でき

自由に運動でき

　

もしも対象リビドーの自我リビドーへの転化、あるいはもっと一般的にいえば、自我エネルギーへのこのような転化が、心の営みにおいては

もしも対象リビドーの自我リビドーへの変換Umsetzung、あるいはもっと一般的にいえば、自我エネルギーへのこのような変換が、心的力動においては

　

文庫ｐ１４９

もしわれわれが睡眠、病気、恋慕の状態を（文庫）

もしわれわれが睡眠、病気、恋愛の状態を（著作集）

もしわれわれが睡眠、病気、惚れ込みの状態を

　

著作集ｐ３４６

対象リビドーを自我リビドーに転換できるという仮定（文庫）

対象リビドーを自我リビドーに変換umsetzenできるという仮定（著作集）

著作集を取る

　

われわれが他のところで否定しがたい確実なことだと認めたことを、病気、睡眠および恋慕に（著作集）

われわれが他のところで否定しがたい確実なことだと認めたことを、病気、睡眠および恋愛に（文庫）

われわれが他のところで拒みがたいunabweisbar確実なことだと認めたことを、病気、睡眠および惚れ込みに

　

決して利己的な関心には転化しないし、またその逆に利己的な関心がリビドーに転化することもないということです（文庫）

決してエゴイスティックな関心には転化しないし、またその逆に利己的な関心がリビドーに転化することもないということです（著作集）

決してエゴイスティックな関心には変換unsetzenされないし、その逆もやはりありえないということです

　

文庫ｐ１５０

たしかに対象リビドーを自我の中へ引き込むことが

たしかに対象リビドーを自我の中へ回収することEinziehungが

　

リビドーを対象から無理に引き離す

リビドーを対象から撤収することAnziehungを強いる

　

ある程度以上の鬱積には耐えられない

ある程度以上の蓄積Anhaeufungには耐えられない

文庫ｐ１５２著作集ｐ３４７下段の「自我の中に蓄積」という部分に合わせた。数行あとの「鬱積」はStauung。

　

著作集ｐ３４７

抑圧過程の一側面をなす

抑圧プロセスの一側面をなす

この前後の「過程」は（Vorgaengではなく）Prozessの訳語。

　

文庫ｐ１５１

おそらくは早発性痴呆が究極において戻っていく原始的自己愛の段階にあるのです

おそらくは早発性痴呆が究極において回帰する原始ナルシズムの段階にあるのです

　

ヒステリーまたは強迫神経症の場合よりもはるかに早期にさかのぼった段階にある

ヒステリーまたは強迫神経症の場合よりもはるかに早期にさかのぼった発達段階にある

　

いかに望みのないものであるかは

いかに見込みのないものであるかは

　

文庫ｐ１５２

リビドーはふたたび対象に戻ろうと努める、すなわち対象の表象をえようと努める

リビドーはふたたび対象に達しkommenようと努める、すなわち対象の表象に達しkommenようと努める

　

・私はそれを対象に所属する言語観念と考えます。（著作集）

・私はそれを対象に所属する言語表象と考えます。（文庫）

文庫を取る。

　

しかし対象に戻ろうと努力するリビドーの

しかし戻ろうと志向するリビドーの

　

著作集ｐ３４８

われわれの自己認知の資料に

われわれの自己知覚の資料に

　

著作集ｐ３４９／文庫ｐ１５４

・慢性の組織的精神異常であるパラノイアという疾病形式（著作集）

・慢性の系統的精神異常であるパラノイアという疾病形態（文庫）

文庫を取る

　

誇大妄想、恋愛妄想（色情妄想）

誇大妄想、迫害妄想、恋愛妄想（色情妄想）

　

文庫ｐ１５５

この被迫害感から

この迫害ということから

なお、著作集では「迫害」の代わりに「追跡」だが（独語ではVerfolgung）、「迫害」の方が良さそうに思える。

　

リビドーの対象への充当が引っこめられたことによる

リビドーの対象への充当が回収されたことEinziehungによる

　

別になんということもなく説明できました

別に当たり障りのない説明ができました

　

同性愛的な欲動に抵抗するための形式

同性愛的な動きから防御zur Wehre setzenするための形式

　

リビドーの興奮が不安に転化することと対応しているのです

リビドーの動きが不安に変換Umsetzungされることと対応しているのです

　

著作集ｐ３５０／文庫ｐ１５６

それでもこの悪人に対する患者の昔の愛情はなお強く

それでもこの悪人に対する患者の昔の情愛はなお強く

　

彼のうちには自分に対する愛情を見出せない

彼のうちには自分に対する情愛を見出せない

　

文庫ｐ１５７

彼は突然脳天に鋭く切り込まれるような、不思議な痛みを感じました

彼は突然頭蓋冠に鋭く切開Schnittを受けるような、不思議な痛みをきたしました

この直後の「切開」という語との対応を示すべきであるし、患者の職業は医者であるから、本人の訴えに含まれる医学用語はそれとして訳出すべきと思われる。

　

自分を誘惑するためにあの友人がこの婦人を送ってよこしたのだ、彼にちがいないと次第に信じ込むようになりました

自分を誘惑するためにこの婦人を送ってよこすことがありうるのは彼にちがいない、と次第に考えるようになりました

　

われわれの説明と矛盾するような症例

われわれの説明と見かけ上矛盾するような症例

　

著作集ｐ３５１

母の代用物と解することができる一人の婦人に妄想を向けていたのです（著作集）

母の代理と解することができる一人の婦人に妄想を向けていたのです（文庫）

母の代理と解することができる一人の婦人に妄想観念を向けていたのです

　

同じ妄想をその婦人から引き離して先の男性に置き換えたのです

同じ妄想観念をその婦人から引き離して先の男性に転移したのです

　

元来はこの症例においても満たされていたわけです

元来はこの症例においても保たれていたわけです

　

望ましからぬほどに強い同性愛的な感情の動きが拒否される場合には

望ましからぬほどに強い同性愛的な動きが追放abweisenされる場合には

　

文庫ｐ１５８

われわれが知るかぎりの恋愛生活の基礎について

われわれが知るかぎりの愛情生活の基礎について

　

・他の生活欲求を満足させてくれることによって貴重になった人物がリビドーによっても対象に選ばれる依存型に従うか

・他の生活欲求を満足させてくれることによって貴重になった人物がリビドーの側からも対象に選ばれる便乗型Anlehnungstypus〈＝依託型〉に従うか

　

われわれが妄想を精神分析的に

われわれが妄想観念を精神分析的に

この段落の「妄想」はすべて「妄想観念」に変更。

　

・妄想が論理的説明と現実の経験によってはとらえられないことは

・妄想が論理的説明と現実の経験によっては壊しがたいことは

　

・妄想あるいは強迫観念によって代理され、抑えつけられている無意識との関係から説明がつくのです

妄想観念あるいは強迫観念によって代表され、鎮圧されている無意識的なものとの関係から説明がつくのです

　

文庫ｐ１５９

メランコリー患者たちをひどく苦しめている自責は

メランコリー患者たちが自らをひどく苦しめている自己非難は

　

あるいはその人の罪責のために患者にとって無価値になってしまった性的対象に向けられている

あるいはその人の罪責のために患者にとって無価値になってしまった性的対象にあてはまる

　

著作集ｐ３５２

リビドーを対象から引き上げたのではあるが

リビドーを対象から撤回したzurueckziehenのではあるが

　

自分の自我とに同時に向けられている（著作集）

同時に自分の自我にも向けられている（文庫）

同じ一撃で自分の自我にも向けられている

　

・ブロイアー以来

・ブロイラー以来

　

愛情と同時に敵意の感情方向を

情愛的であると同時に敵対的な感情方向を

　

文庫ｐ１６０

すでに明らかにされている規定によってみなさんに説明することは不可能ではあるまいと考えます

すでに明らかにされている規定によってみなさんに説明することがすでに可能であればいいと思っています〈が、残念ながらそうではありません〉

　

葛藤解決の特殊な仕方の一つである

葛藤処理の特殊な仕方の一つである

　

自我の組成といくつかの法廷部局からなっているその構造を知りうるであろう

自我の組みたてZusammensetzungと、いくつかの審級からなっているその建造Aufbauを知りうるであろう

この段落内の「法廷」は「審級」に変更。

　

自分の考えることがいちいち

自分の思想がいちいち

　

著作集ｐ３５３／文庫ｐ１６１

外界へ移し置いている

外部へ移し置いている

　

自分の中に一つの法廷があって、これが自分の現実の自我とそのあらゆる活動とを、患者が自分のこれまでの生活の中で創造した理想自我を基準として

自分の自我の中に一つの審級の統治があって、これが自分の当座のaktuell自我とそのあらゆる活動とを、患者が自分のこれまでの発達の中で創造した理想自我Ideal-Ichを基準として

　

第一次の幼児性自己愛に結びついているが、それ以来、非常に多くの障害と侵害をこうむったところの、あの自己満足を回復しようとする意図の結果であったと考えるのです

一次的な幼児性ナルシズムに結びついていたが、それ以来、非常に多くの障害と侮辱をこうむったところの、あの自己満足Zufriedigungを再確立しようとする意図の結果であったと考えるのです

　

精神異常による障害の全てを

精神病による障害の全てを

　

文庫ｐ１６２

リビドーから病因的な刺激に

リビドーの病因的な誘発Anregungに

　

著作集ｐ３５４

もし不安感情が

もし不安情動が

　

文庫ｐ１６３

逃走であれ、防衛であれ

逃避であれ、防衛であれ

　

自己保存に役立つところの行為を

自己保存に役立つところの活動Aktionを

　

現実不安の感情的部分を自我リビドーに帰し、その際の行為を自己保存の欲動に帰するならば

現実不安の情動的部分を自我リビドーに帰し、その際の活動Aktionを自我保存の欲動に帰するならば

　

不安を感じるがゆえに逃げるのだ

不安を感知するがゆえに逃避するのだ

　

そして逃走に取りかかるのは

そして逃避に取りかかるのは

　

少しも不安を感じなかった

少しも不安がらなかった

２００1年１０月２９日作成／２００２年１０月１９日増補改訂（改訂分は行頭の「・」で表記）