フロイト著作集第１巻

ざっとみた範囲での翻訳正誤表

『精神分析入門』

第９−１２講

　

第９講

著作集ｐ１１０／新潮文庫（旧版）ｐ１７２

夢は、眠りを妨げる（心的な）刺激（願望）を幻覚的な充足によって排除するものであります。

夢は、眠りを妨げる（心的な）刺激を幻覚的な満足〈＝解消〉によって撤去するbeseitigenものであります。

　

ｐ１１１

錯誤行為の解釈にならって

錯誤行為についての見解にならって

　

・昼も夜も子供の心配をするほかには何の余念もないような五十女が、こんないやらしい、ばかばかしいことを夢にみるとは

・こんないやらしい、ばかばかしいことを、昼も夜も子供の心配をするほかには何の考えももたない五十女が夢にみるとは

「何の考えも持たない」の部分には比喩や程度を表す語句は見あたらないので、この女性は、つねに強迫的に子供のことばかり心配するという精神症状に悩まされていたのかもしれない。いずれにせよ、夢の報告をする際に、訊かれてもいない子供の話がもちだされていることに注意されたい。ｐ１１６の下段「この夢のリビドーはまぎれもなく息子に向けられています」の部分に関連する。

　

それは「愛の奉仕」という夢なのです。

それは「愛の奉仕Liebesdiensten」という夢なのです。

「Liebesdienst」の辞書の訳語は「親切心からの奉仕・世話」。複合語を分解してそれぞれの語を直訳すれば「愛の奉仕」になる。

　

私はこの病院で奉仕をしたいのです。

私はこの病院で奉仕Dienstをしたいのです。

Dienstの辞書的な訳語は、１番に勤務・服務etc、２番に奉仕・世話etcが挙げられている。

　

奉仕という言葉を彼女は強調して話したので、下士官にはそれが『愛の奉仕』のことだなと即座にわかった。

奉仕Dienstという言葉を彼女は強調して話したので、下士官にはそれが『愛の奉仕Liebesdiensten』のことだなと即座にわかった。

　

ｐ１１２

・一等軍医に向かって自分の気持ちを話した

・一等軍医に向かって自分の申し出を相談した。

　

・兵士と士官の別なく兵隊さんたちのために・・・」というのだった。このとき、夢の中ではつぶやき声が起こった

・兵士と士官の別なく兵隊さんたちに・・・」というのだった。ここに、夢の中ではざわめきが続いた

　

・『奥さん、実際そんなふうになる場合を考えてみてください・・・』（つぶやき声が聞えた）。彼女は誰も彼も同じなのだな、と思いながら、その腕から離れて答えた。

・『奥さま、実際こんなふうになる場合を考えてみてください、つまり・・・』（ざわめき）。彼女は、そういう場合もあればほかの場合もあるでしょう、と思いながら、その腕から離れて答えた。

　

ひどく若い方などと・・・（つぶやき声が聞えた）恐ろしいことですもの

ひどく若い方などと・・・（ざわめき）恐ろしいことですもの

　

・婦人は、二等軍医のところへ行けば全部かたづくのだから、そこへ連れて行ってくれるように、と頼んだ。しかし、非常に驚いたことに自分が二等軍医の名前を知らないことに気づいた。

・婦人は、知り合いの二等軍医のところへ行けば全部かたづくのだから、そこへ連れて行ってくれるように、と願った。しかし、自分が二等軍医の名前を思いつかないのでうろたえた。

　

この夢の成り行きは、日中に浮かべた空想に対応しているのです。

この夢は、日中の空想の続きにあたるのです。

上に述べたように、日中の空想とは子供に関する空想かもしれない。

　

ｐ１１３

この欠落の生じている部分はつぶやき声で中断されています。

この欠落の生じている部分はざわめきで中断されています。

　

さらにつぶやき声で中断される直前の話は

さらにざわめきで中断される直前の話は

　

愛の要求を満足させるべく

愛の欲求を満足〈＝解消〉させるべく

　

・いとわしい破廉恥な性的空想の典型ですが

・いとわしいanstoessigぶしつけなリビドー的空想の典型ですが

　

はっきり聞きとれないつぶやき声が起こり、何かが抜け落ちてしまうか、抑えつけられてしまうかするのです。

はっきり聞きとれないざわめきが起こり、何かが抜け落ちてしまうか、禁圧されてしまうかするのです。

　

それらの部分を抑えつけた動機であったと申しましても

それらの部分を禁圧した動機であったと申しましても

　

つぶやき声で隠されてしまった部分

ざわめきで隠されてしまった部分

　

ｐ１１４

こんどはどういうふうに検閲が行われるかについて考えてみましょう。

こんどはその力動について考えてみましょう。

　

・この作用もやむのではないか

・この作用も揚棄されるのではないか

　

ｐ１１５

というのは、実際にそういう場合があったのです。

著作集ｐ９４から９５を指すと思われる。

　

・夢の要素が代理している無意識の要素へたどりつこう

・無意識的要素　−夢の要素はその代理物です−　へたどりつこう

　

夢を解釈するときに抵抗となってわれわれの行く手をさえぎるもの、それをわれわれは夢の検閲として、これを夢の作業に帰せしめなければなりません。

夢を解釈するときに抵抗としてわれわれの行く手をさえぎるもの、それをわれわれは夢の検閲として、これを夢の作業のひとつに数えなければなりません。

　

ｐ１１６

・まさしくこの避難に値するという彼女の判断のために、夢の中では、もっとも品の悪い部分がつぶやき声に置き換えられたのです。

・まさしくこの断罪Verurteilungのために、夢の中では、もっともいとわしいanstoessigst部分がざわめきに置き換えられたのです。

　

夢の検閲官の立場から

この審級の立場から

　

徹頭徹尾非難に値する性質のものであり

徹頭徹尾排除すべきverwerflich性質のものであり

　

夢の中で歪んだ形で表現される願望は

夢の中で歪曲されて表現される願望は

　

眠ろうという心的態勢、すなわち外界から自己の関心を引き上げることにほかならない心的態勢と無関係ではありません。

眠ろうという構え〈＝体制、Einstellung〉、すなわち外界全体から自己の関心を撤収することにほかならない構え〈＝体制、Einstellung〉と無関係ではありません。

　

すべての倫理的な束縛から解放された自我は、性的欲望のいっさいの要求、すなわち、とうにわれわれの美的教育が非としてきた性的欲求やあらゆる倫理的規制の要請に反する性的要求を受け入れるのです。

すべての倫理的な束縛を処理したentledigte自我は、性的志向のいっさいの要求、すなわち、とうにわれわれの美的教育が断罪してきたverurteilen要求やあらゆる道義的規制の要請に反する要求を受け入れるのです。

　

・快感追求

・快感への努力

　

・夢をひきおこすのに充分な

・夢を誘発するanregenのに充分な

　

ｐ１１７

正当な願望や切実な身体的欲求の充足と

正当な願望や切実な身体的欲求の満足〈＝解消〉と

　

なんということもない無害なリビドー的願望だと認める夢の活動、そしてその娘自身にしても十年も経てばわれわれと同じように判断するにちがいない夢の活動に

なんということもない無害なリビドー的願望だと認める夢の動き、そしてその娘自身にしても十年も経てばわれわれと同じように判定するにちがいない夢の動きに

　

・われわれの夢の解釈の

・われわれの解釈作業の

　

われわれは万事を正しく理解する

われわれはこの成果を正しく理解する

　

・なによりもまずわれわれの仕事の成果をある種の攻撃から防いでおく義務があるようです。

・なによりもまずわれわれの仕事の成果をいくつかの異論から守っておく義務があるようです。

　

・催眠法による睡眠から正常な睡眠に移して考えてみてもいいということ、すべての思いつきにはしかるべき根拠があるということ

・催眠法による睡眠から正常な睡眠に転移して考えてみてもいいということ、すべての着想は決定されているということ

　

・その場合には、攻撃者はおそらく次のように言うにちがいありません

・その場合には、次のようなことが真っ先に思いつきます

　

・なんと言っても夢は心的な現象か

・なんと言っても夢は心的な現象でないか

　

・あるいは精神分析の技法にはどこかに欠陥があるのか

・あるいはわれわれの技法にはどこかに欠陥があるのか

　

・きみたちがかかげた諸前提にもとづいて

・われわれがかかげた諸前提にもとづいて

　

ｐ１１８

もっと単純で、しかももっと満足のいくような、というのももっともな要求ですが、しかし、そうだからといってそれが必然的により正しいとはかぎらないのです。（著作集）

なるほどもっと単純で、しかももっと満足のいくような、というのももっともな要求ですが、しかし、そうだからといってそれが必然的により正しいとはかぎらないのです。（文庫）

なるほどそのほうがもっと単純で、しかももっと満足のいくものではありますが、しかし、そうだからといってそれが必然的により正しいとはかぎらないのです。

　

・少し時をかしてください。事態は、まだ断定を下しうるほどには熟していないのですから。とは言え、われわれの夢の解釈に対する批判をもっと強めてみることもできるのです。解釈の成果がはなはだ不愉快で厭わしいということは、それほど重大なことではありません。

・少し時をかしてください。事態は、まだ断定を下しうるほどには熟していないのです。まず手始めに、われわれの夢の解釈に対する批判をもっと強めてみることができます。夢解釈の成果がはなはだ不愉快で汚らわしいということなどは、ひょっとしたらさほど重大な問題ではないかもしれません。

　

・その人の夢を解釈して、この種の願望傾向があると指摘されたその当の本人が、充分な根拠をあげて、なにがなんでもその願望傾向を否定しようとすることの方が、もっと強い反対になるのです。

・それよりも、その人の夢を解釈して、この種の願望傾向があると指摘されたその当の本人が、充分な根拠をあげて、なにがなんでもその願望傾向を振り払おうvon sich weisenとすることの方が、さらに強い〈反対〉論拠staerkere Argumentです。

　

僕が妹に対して性的な欲望をもっている

僕が妹に対して官能的な願望をもっている

　

・指摘された意向を認めなかったり、拒否したりしたところで、われわれはそれをたいして問題にしないのです。われわれは、それこそまさに夢を見た本人が自分では気づかないでいる事柄なのだといいたいのです。ところで彼らが、指摘されたこのような願望とはまさに反対のことを心の中に感じており、しかも、この反対の願望が心の中にあることを

・指摘された傾向を認めなかったり、否認verleugnenしたりしたところで、われわれはやはりそれをたいして問題にしないでしょう。つまり、われわれは、それこそまさに夢を見た本人が自分では気づかないでいる事柄なのだといえるのです。しかし彼らが、指摘されたこのような願望とはまさに反対のことを自らの中に感じており、しかも、この反対物があることを

　

・このような手ごわい反論にしても

・このようなさらに強い〈反対〉論拠staerkere Argumentにしても

　

心的生活の中に無意識的な意向があると仮定すれば、意識的な生活の中でこれと反対の傾向が支配的であるからといって、それは無意識的な意向がないと言い切るだけの証明力を持つ事実ではないのです。

心的生活の中に無意識的な傾向があると仮定すれば、意識的な生活の中でこれと反対の傾向が支配的であるからといって、それは証明力を持つ事実ではなくなるのです。

　

もしかすると、一方の活動が支配権を握ることこそ、これと対立する活動が無意識にあることの条件であるのかもしれません。

もしかすると、一方の動きが支配権を握ることこそ、これの対立物の無意識性の条件であるのかもしれません。

　

ｐ１１９

・最初にわれわれに向けられた攻撃は、まさにそのまま動かないのです。

・最初にわれわれに向けられた抗弁がここでも問題になるのです。

　

みなさんが感ぜられる快、不快の感情を

みなさんが感じられる好意や反発の感情を

　

「それでも、それは存在するのだ」

「だからといって実在しないということにはならないCa n'empeche pas d'exister.」

　

・検閲を受けた夢の願望の持つ忌まわしい性格などは無視しようと言われるでしょうし、また人間の資質の中で、悪にそれほど広い余地があたえられているなどということは、やはりありそうもないことだという主張にたちもどられることでしょう

・検閲を受けた夢の願望の持つ反発を催させるabstossend性格を度外視しようと約束するでしょうが、一歩引き下がって、人間の体質の中で、邪悪にそれほど広い余地を認めるべきだなどということは、やはりありそうもないことだ、という〈反対〉論拠Argumentに至ります

ここまでは、個人的な好き嫌いで論じてはいけないという話。ここからは、一般的視点から見た善悪で論じてはいけないという話。

　

人間の本性に利己主義的な悪が関与していることを否定する義務を

人間の本性にエゴイスティックな邪悪が関与していることに反対する義務を

　

ｐ１２０

現実に行っていることを夢にみて満足している

実際に行っていることを夢にみてよしとしている

　

・その社会的連帯感をも

・その社会感情をも

　

「精神分析は一方を主張するために他方を否定する」

「精神分析は一方を主張するために他方を非認leugnenする」

　

人間の天性のなかに存在する高貴な性向を拒絶しよう

人間の天性のなかに存在する高貴な志向を非認ableugnenしよう

　

それらの夢の願望を抑制し、見わけがたいものとする検閲の存在

それらの夢の願望を禁圧し、見わけがたいものとする検閲の存在

　

実はそんなふうに真向から悪の存在を否定してしまうと

実はそんなふうに真っ向から悪の存在を否認verleugnenしてしまうと

　

・なにかしら忌まわしい願望に対して

・なにかしらいとわしい願望の動きに対して

　

この忌まわしい願望がなぜ夜にかぎって活動するのか

この排除すべきverwerflich願望がなぜ夜にかぎって活動するのか

　

ｐ１２１

われわれが現に多くの例で経験しているようにこれを否定するのです。

われわれが現に多くの例で経験しているようにこれを否認verleugnenするのです。

　

失礼にあたる心の動きを意識したことはない

失礼にあたる動きを意識化したことはない

　

自分のうちにある心の動きに気づいてはいなかったのだ

自分のうちにある動きに気づいてはいなかったのだ

　

それどころかおそらくは気づかれたことの決してないような過程や意向

それどころかおそらくは気づかれたことの決してないような事象や傾向

２００１年３月２２日作成／２００２年７月１９日増補改訂（改訂分は行頭の「・」で表記）

第１０講

ｐ１２１

第十講　夢の象徴的表現

第十講　夢における象徴系Symbolik

　

許しがたい無意識的願望に対して向けられた

受け容れがたい無意識的な願望の動きに対して向けられた

　

ｐ１２２

何も思い浮かばないということがよくあります。

じっさい何も着想できないということが時に起こります。

　

根強く強要すれば思いつきは浮かんでくるものなのです。

根強く強要すれば着想は得られるものなのです。

　

それでも連想が浮かばなかったり、あるいは無理に思い浮かべてみても、われわれが予想したようなものが得られないときもあります。

それでも連合が頓挫versagenし、あるいは強要してもわれわれが期待するものが得られないときもあります。

　

いくら強制してみてもなんの役にも立たないということがはっきりしてくると、ついにわれわれも、こういう好ましからぬ偶然はいつも夢の特定の要因に関して起こるらしいということに気づくのです。

どんな衝迫Draengもなんの役にも立たないということに納得がいくと、ついにわれわれも、こういう期待外れの偶発事はいつも夢の特定の要素に関して起こるらしいということに気づくのです。

　

分析の方法がうまくいかなかった例外的な場合

分析の方法が頓挫したversagen例外的な場合

　

・翻訳によるこうした代理形成をあえて行えば、われわれは満足のいくような意味を得ることができますが、この作業をあえてする決心をしないかぎり、夢は依然として意味がなく、関連性のないままにとどまります。しかし、

・翻訳によるこうした置き換えErsetzungをあえて行えば、満足のいくような意味を得ることができるが、この作業をあえてする決心をしないかぎり、夢は依然として意味がなく、関連性のないままにとどまる、という考えが起こってきます。

最後の「しかし、」は不要。

　

・いつも一定の翻訳が

・恒常的な翻訳が

　

・しかし自由連想の技法では、夢の同じ要素がいつも同じもので代理されるというようなことは決してないのです。

・しかしわれわれの連合技法では、夢の要素の恒常的置き換えは決しておこらないのです。

　

ｐ１２３

・自分たちには自由連想を手段とした

・自分たちには自由な着想を手段とした

　

・しかし、ここに新しい問題があるのです。すなわち、もしわれわれが経験を積みながら、この一定不変の代理物（翻訳）を

・しかし、ここにまだもうひとつ付け加えるべきことがあるのです。すなわち、そういう人も、もし経験を積みながら、この恒常的置き換えErsetzungを

　

・夢のある要素とその翻訳（意味）との間に存在するこういうコンスタントな関係を（著作集）

・夢のある要素とその翻訳（意味）との間に存在するこういう恒常的な関係を（文庫）

・夢のある要素とその翻訳との間に存在するこういう恒常的な関係を

　

象徴的表現についてのわれわれの特殊な観察を述べる前に、この論議をとりあげておきたいと思います。象徴的表現はおそらく、夢理論中最も注目に値する部分であろうと思われます。

象徴系Symbolikについてのわれわれの特殊な観察を述べる前に、この論議をとりあげておきたいと思います。象徴系Symbolikはおそらく、夢理論中最も注目に値する部分であろうと思われます。

　

・連想による技法に代わりうる技法でもなく

・連合技法に置き代わりうる技法でもなく

　

・一般に夢をひき起こすもとになる日中の出来事については知ってはいないこと

・夢の扇動者Erraegerである日中の出来事については通常知ってはいないこと

　

ｐ１２４

・夢と無意識との間に象徴関係があるということに対しては、激しい抗議が提起されています。

・夢と無意識的なものとの間に象徴関係があるということに対しては、またしても激しい抵抗が起こっています。

　

この象徴関係の点では精神分析についていくことを拒否したのです

この象徴関係の点では精神分析についていくことに頓挫したversagenのです。

　

象徴性は夢特有のものでもなければ

象徴系は夢特有のものでもなければ

このあと次の段落までに登場する３つの「象徴性」についても同様。

　

・象徴関係の本質は比較対照ですが、それはしかし勝手気ままなものでは

・象徴関係の本質は対比Vergleichですが、それはしかし任意beliebigの対比では

これ以下の「比較対照」「対照」も同様。

　

われわれがある対象あるいは過程を、それと類比することのできるようなもののすべてが、夢の中にその当の対象あるいは過程の象徴として現れるとはかぎらないのです。他方、夢はまた手当たり次第に潜在思想のすべてを象徴化するのではなく、夢の潜在思想の中のある特定の要素だけを象徴化するのです。

われわれがある客体あるいは事象と対比しうるもののすべてが、夢の中でもその客体あるいは事象の象徴として現れるとはかぎらないのです。他方、夢はまた潜在思想の任意のもの全てalles Beliebigeを象徴化するわけではなく、夢の潜在思想の中のある特定の要素だけを象徴化します。

　

・象徴と代理や表現

・象徴と置き換えErsetzungや描写Darstellung

　

・対照があるとは思われるが、いったいどこに比較対照の基準点を求めるべきか、すなわち比較点をどこに求めるべきか（著作集）

・対照があるとは思われるが、いったいどこに比較対照の共通点を求めるべきか、すなわち比較基準をどこに求めるべきか（文庫）

・対比があるとは思われるが、いったいどこに共通点を求めるべきか、すなわち比較基準をどこに求めるべきか

　

・よくよく考えてみれば共通点は発見できるかもしれませんし（著作集）

・よくよく考えてみれば基準点は発見できるかもしれませんし（文庫）

著作集をとる

　

・この比較対照が連想によって

・この対比が連合によって

　

ｐ１２５　

・また夢をみた人がこの対象について

・また夢をみた人がこの対比について

　

・またあるときは不安をいだきながら

・またあるときは不安げaengstlichに

　

・夢はこれほどやさしくは

・夢はこれほど情愛的には

　

・汽車旅行で代理され

・鉄道旅行で置き換えられ

　

畏怖を示唆するものによって表現され

畏怖を示唆するものによって仄めかされ

　

非常に豊富な象徴的表現がある

非常に豊富な象徴系で描かれる

　

表現される対象の数は少ないのに、その対象に対する象徴の数は

表現される内容の数は少ないのに、その内容に対する象徴の数は

　

象徴的表現の多様性とは対比的に

夢の表現の多様性とは逆に

　

ｐ１２６

・示唆的にほのめかしたりする

・暗示する

　

短銃およびその形からみてはなはだふさわしい輪胴式ピストル（著作集）

短銃およびその形からみてはなはだふさわしい連発式ピストル（文庫）

短銃およびその形からみてはなはだふさわしいリボルバー

　

・不安をともなう少女の夢

・不安げな少女の夢

　

みなさんが容易に翻訳しうる

みなさんがいまや容易に翻訳しうる

　

ｐ１２７

・われわれの夢は願望を充足させたいと望んでいるものであること

・われわれの夢は願望充足であろうとしていること

　

意識すると意識しないとにかかわらず

意識的であれ無意識的であれ

　

・ペニスが足や手などのように他の肢体によって代理されること

・陰茎maenlichen Gliedが足や手などのような他の肢体Gliedによって代理されること

　

女子性器よりも子宮に関係を持っている

女子性器よりも母胎Mutterliebに関係を持っている

　

女性の身体の二つの大きい半球形のものと同じく

女性の身体のもっと大きな半球形のものと同じく

　

ｐ１２８

甘いものは性的愉悦の表現

甘いものは性的享楽Geschlechtsgenussの描写

　

自慰のきわめて巧みな象徴に滑走や滑降

自慰のきわめて巧みな象徴的描写に滑走や滑降

　

男女の区別なく、性器一般を意味する象徴も少なくはありません。たとえば小さい子供、すなわち小さい息子や小さい娘がそれです。

男か女かの区別なく、性器一般を意味する象徴も少なくはありません。たとえば小さい子供は、小さい息子か小さい娘かの区別なくそうなのです。

　

このことは、われわれが人間の性観念の発達を十分に認識しないうちは理解できないことです。

このことは、人間の性表象の発達を十分に認識しなければ理解できないことです。

　

いつも性器と関係を持つものではないようです。

いつも性器と関係を持つとはかぎりません。

　

ｐ１２９

・くだものは小児ではなく乳房の代理物です

・くだものは小児ではなく乳房を表します

　

これらは夢の象徴の資料というべきものであるかもしれません。

これらは夢の象徴系の材料というべきものであるかもしれません。

　

・われわれは夢の象徴性に対応するものを

・われわれは夢の象徴系に対応するものを

　

ｐ１３０

窓やドアや門は、体腔への入り口であり、また平べったいままであったり、あるいはバルコニーや張り出しがついていてつかまえられるようになったりしている家の正面も同じく、体腔への入り口であります。

窓やドアや門は、体腔への入り口であり、また、平べったいままであったり、あるいはバルコニーや張り出しがついていてつかまることができるファサードも身体描写であります。

　

・家屋の象徴性に

・家屋の象徴系に

　

ｐ１３２

・これと同じように、性器の象徴も

・これと同じように、性器の象徴系も

　

ｐ１３３

・また農耕というものに対する考え方がいかにこの象徴性によって

・また農耕というものに対する考え方がいかにこの象徴系によって

　

ｐ１３４

男子性器の象徴的表現のうちで、機知、俗語、あるいは詩的な慣用語法の中にくりかえされ、さらに古典詩人によって反復して用いられなかったような表現は、一つとしてありません。

男子性器の象徴的表現のうちで、冗談、俗語、あるいは詩的な慣用語法とくに古典詩人に繰り返し用いられwiederkehrenなかったような表現は、一つとしてありません。

　

ｐ１３５

われわれはただ象徴に関する知識は、夢をみる人には意識されていないものであり、

われわれはただ象徴系Symbolikに関する知識は、夢をみる人にとって無意識的であり、

　

・無意識的意向が存在すると

・無意識的志向が存在すると

　

ｐ１３６

他の領域にあるさまざまな対比現象も

他の領域にあるさまざまな相同現象Parallelenも

　

同じ象徴関係を神話や童話も利用していますし

同じ象徴系Symbolikを神話や童話も利用していますし

　

象徴表現の領域は途方もなく広大で、夢の象徴表現はそのごく一部分にすぎないのです。

象徴系Symbolikの領域は途方もなく広大で、夢の象徴系Symbolikはそのごく一部分にすぎないのです。

このあとこの章で登場する「象徴表現」という語のすべてについて同様。

　

夢で用いられる象徴が他のすべての領域にも現れるということはなく

夢で用いられる象徴の多くは、他のすべての領域にも現れるわけではなく

　

「基本語」を空想していました。

「基本言語」を想像していました。

　

ｐ１３７

性愛の相手

性的パートナー

　

夢の象徴表現についてわれわれはこれと対比しうるものをあげましたから

夢の象徴系についてわれわれはその相同現象Parallelenをあげましたから

　

ｐ１３８

・個々の人間の心的活動は

・個々の人間の心的生活は

二行うしろも同様

２００１年３月２９日作成／２００２年８月９日増補改訂（改訂分は行頭の「・」で表記）

第１１講

ｐ１３９

・夢の諸要素とそれが意味するものとの間の関係を

・夢の諸要素とその本来のものとの間の関係を

　

近似または暗示の関係

近似または仄めかしの関係

　

潜在夢を顕在夢に置き換えるあの働きこそ、夢の作業なのだ

潜在夢を顕在夢に変換する作業こそ、夢の作業なのだ

　

・夢の作業を消去しようとするものです

・夢の作業を揚棄しようとするものです

　

願望形式を現実へと置き換え、多くは観念を視覚的形象へと置き換えるという形式で行われたのです。

願望形式を現実へと変換し、多くは思想を視覚像へと変換するという作業です。

　

ただこの両者の置き換えを逆にたどるだけでよかったのです。

ただこの両者の変換の逆成を行うだけでよいのです。

Rueckbildung＝逆成（ある語を派生語と考えてその基礎語を作ること）。

　

・みなさんがあまり大きな期待をおかけにならないように望みます

・みなさんがあまりにも多くを理解しようとしすぎないように望みます

　

この歪曲はわれわれの解釈作業によって無効にしてしまうことができるのです。

この歪曲はわれわれの解釈作業によって取り消すことができるのです。

　

凝縮

圧縮

今後はいちいち指摘しない。

　

ｐ１４０

この過程を実地に示すのはきわめてやしさい

この効果を実地に示すのはきわめてやさしい

　

もしすぐに必要な共通点が見つからないとなると、たとえばある観念をあらわす言語的表現を選ぶことによって、わざわざ共通点が作り出されることをわれわれは証明することができるからです。

もし必要な共通点がすぐには見つからない場合には　−たとえばある思想をあらわす言語的表現をうまく選ぶことによって−　共通点が意図的に作り出されることをわれわれは証明することができるからです。

　

・われわれの空想の産物中にも

・われわれの空想の創造物中にも

　

ｐ１４１

材料はいろいろの観念であって

材料はいろいろの思想であって

　

これらの観念は夢の作業によって

これらの思想は夢の作業によって

　

そして、観念の翻訳、置き換えにあたっては

そして、この翻訳、転移にあたっては

　

二つの違った観念を

二つの違った思想を

　

・二つの全く違っている潜在的な思考過程が

・二つの全く違っている潜在的な思路が

　

ある夢を充分に解釈したと思っても、実は行きすぎた解釈をしているのに気づかないことがあります。

ある夢を充分に解釈したと思っても、重層的解釈がありうることeine moegliche Ueberdeutungに気づかないことがあります。

　

特異な仕方で書き換えるものであって、一語一語の逐語的な直訳ではありません。

特異な仕方で転写するものであって、語から語へ、記号から記号へといった翻訳ではありません。

　

ｐ１４２

・つまり仄めかしによって代理される

・つまり仄めかしによって置き換えられる

　

・ある思想を仄めかしによって代理するということは

・仄めかしによって置き換えるということは

　

・しかし、夢のなかの仄めかしによる代理とは、そこに

・しかし、そこに

　

内容上の連想という条件

内容上の連合という条件

　

・言葉の意味がいろいろに取れるとかいうような、耳なれない外面的な連想が条件となっています。

・言葉の多義性とかいうような、ふつうはみられない外的な連合が条件となっています。

この部分を含む段落は、著作集の次の段落と本来は一続きである。

　

・仄めかしはきわめて外面的で、しかもその本来の要素に対して縁遠い関係をもっているにすぎないので、そのために夢の置き換えによる仄めかしは理解しにくいものになっています。

・仄めかしは、それが置き換わった要素に対して、きわめて外的でしかも縁遠い関係をもっているにすぎないので、理解しにくいものになっています。

　

・アクセントの置き換えがかもしだす

・アクセントの移動がかもしだす

　

ｐ１４３

思想を視覚像に翻訳する操作です。

思想を視覚像に変換することUmsetzungです。

　

翻訳されるのは夢の思想の全部ではない

変換Umsetzungを受けるのは夢の思想の全部ではない

　

顕在夢の中でも観念や知識として現れるものもあります。

顕在夢の中でも思想や知識として現れるものもあります。

　

視覚像は観念が翻訳される唯一の形式でもない

視覚像は思想が変換される唯一の形式でもない

　

・それにしても翻訳は夢の形成における本質的なものです

・それにしても視覚像は夢の形成物における本質的なものです

　

われわれのすでに知っているとおり、恒常不変にみられるものとしては第二番目のもので

著作集ｐ６９−７１や、著作集ｐ１０６（この部分の邦訳は間違っているので、対応する正誤表をみよ）を参照。

　

論説を一連の図解によって翻訳する

論説を一連の図解によって置き換える

　

具体的事象は、容易に、しかもおそらくはかえって具合よく絵で翻訳することができるでしょう。

具体的な物体は、容易に、しかもおそらくはかえって具合よく絵に置き換えることができるでしょう。

　

抽象的な言葉や、前置詞のような不変化詞、接続詞などのような思考関係を示す文章成分の全部を絵で表現する

抽象的な言葉や、前置詞、接続詞などのように思考関係を示す文章成分の全部を描写する

　

・みなさんはいろいろな技巧を用いて何とか絵にするでしょう。

・みなさんはいろいろな技巧を用いて手助けとするでしょう。

　

別の文章に翻訳しようと努力なさるでしょう。

別の言い回しに変換しようと努力なさるでしょう。

　

具体的な言葉の色あせたものと思われることでしょう。

具体的な言葉の色あせたものであることを思い出されるでしょう。

　

・夢の作業ではたとえば具体的に表現することが

・夢の作業ではたとえば映像的に表現することが

　

・たとえば脚部骨折Beinbruchで代理する

・たとえば脚部骨折Beinbruchに置き換える

　

・アルファベット文字を象形文字に代えようとする場合に

・アルファベット文字を象形文字に置き換えようとする場合に

　

ｐ１４４

・「神罰」姦通の罰としての腕骨折）

・「神罰」（姦通Ehebruchの罰としての腕骨折Armbruch）

　

・特別に親密な関係にあるなどということは問題にならない、と否認した。

・特別に親密な関係にあるなどということは問題にならない、と非認leugnenした。

　

・被告人との親密な関係を否認していた

・被告人との親密な関係についてしらを切っていたin Abrede stellen

　

・自分が前に被疑者との関係を否認したのは

・自分が前に被疑者との関係についてしらを切っていたin Abrede stellenのは

　

・私は左腕の骨を折ったからです

・私は左腕の骨を折ったbrechenからです

　

「なぜ、だから、しかし」

「なぜなら、だから、しかし」

　

テキストが絵に翻訳される

テキストが像に変換される

　

事物と行動という原料

対象と活動という原材料

　

・それ自体としては図解できないある種の関係を少しでも精密な絵にして

・それ自体としては描写できないある種の関係を少しでも精密な像に彫琢して

　

夢の潜在思想の内容を顕在夢の形態上の特異性

夢の潜在思想の内容の多くを顕在夢の形式上の諸特性

　

場面の転換によって翻訳されたりします

場面の転換によって置き換えられたりします。

　

ｐ１４５

・夢の思想とその代理物である顕在夢との

・夢の思想とそれと置き換わる顕在夢との

　

思いもかけないこと

思いもかけなかったこと

　

・凝縮によって代理されます

・凝縮によって置き換えられます

　

どれを選んで翻訳するかは、その意味が決定しうることなのです。

〈われわれが〉どの翻訳を選択すべきかは、その意味が決定しうることなのです。

　

・「否定」の表現、少なくとも「否定」の明白な表現が

・「否Nein」の表現、少なくとも「否Nein」の明白な表現が

　

・同音の原始語をわずかに変化させて

・同音の原始語をわずかに修正して

　

ｐ１４７

・つまりある意味をその反対のもので代理する

・つまりある意味をその反対のもので置き換える

　

夢の象徴的表現に関して

夢の象徴系に関して

　

視覚的な像に翻訳することが

視覚的な像に変換することが

　

われわれの思想や観念は（文庫）

われわれの思想は（著作集）

著作集が正しい

　

これらの記憶像に、あとになってから言語が結びつけられ、ついでその言語に思想が結合されたのです。

これらの記憶像に、あとになってからまず語が結びつけられ、ついでこれは思想へと拘束されました。

「これ」が「記憶像」を指すか「語」を指すか不明。

　

ｐ１４８

・顕在夢がうまく構成されていようと

・顕在夢がうまく組み立てられていようと

　

・一般に夢を筋の通った構成物として

・一般に夢を首尾一貫して構想されたものとして

　

ｐ１４９

・多かれ少なかれ変容され

・多かれ少なかれ修正され

　

顕在夢となって現れる夢の潜在思想に向かっていく

顕在夢から知られうる夢の潜在思想を志向する

　

観念から形象への退行的な逆転は

思想から像への退行的な変換は

２００１年４月２日作成／２００３年１月３日増補改訂（改訂分は行頭の「・」で表記）

第１２講

著作集ｐ１５１

・思いつきや回想から

・着想や記憶から

　

この夢は、二つの簡単な情景からなっています。

この夢は、二つの簡単な像Bildからなっています。

このページの「情景」すべてについて変更。

　

伯父の行動については、現実にはそんなことはしない人だと否定しているのですから、

彼は伯父の行動を現実のものと認めなかったabstreitenのですから、

　

ｐ１５２

みなさんは象徴の意味を観念に翻訳することこそ夢の解釈の理想であると考え、夢についての連想という技法を

みなさんは象徴の意味をはめ込むことEinsetzungこそ夢の解釈の理想であると考え、夢についての連合の技法を

　

歯を見せて笑っていた

にっこりと笑っていた

　

ｐ１５３

彼女と連想でつながる犬だけが残っています。歯を見せて笑っている年とった夫人は

彼女と連合する犬だけが残っています。にっこりと笑っている年とった夫人は

　

死者をよみがえらせたいという願望とが

死者をよみがえらせたいという欲求とが

　

ｐ１５４

どこにいったい、この凝縮を可能にした父と歯との類似点があるのでしょうか。（段落替え）しかし、類似点は存在するにちがいないのです。

この凝縮を可能にした父と歯との間の類似点は、いったいどこにあるのでしょうか。（段落替え）しかし、類似点は存在するにちがいないのです。

この圧縮を可能にした父と歯との間の比較基準Tertium Comparationsは、いったいどこにあるのでしょうか。（段落替え）しかし、それは存在するにちがいないのです。

比較基準Tertium Comparationsについては著作集ｐ１２４およびその正誤表を参照。

　

ｐ１５５

・こうした追憶を追い払おう

・こうした記憶から転導しようablenken

　

・その死を願う気持が起こってくるのが常ですし、しかもその気持ちが、死はかえって救いではあるまいかなどという同情的な仮面をかぶっているのが常であります。

・その死の願望が起こってくるのが常ですし、しかもその願望が、死はかえって救いではあるまいかなどという同苦Mitleid的な配慮で隠されているのが常であります。

　

・夢思想の最初の関心は夢が形成される間だけ無意識だったにすぎませんが、父に対する敵意の感情は永久に無意識のままだったでしょう。この敵意は

・夢思想のひとつの因子は、夢が形成される間だけ無意識的だったにすぎませんが、父に対して敵対的な諸々の動きは永久に無意識的なままだったでしょう。この動きは

　

・いろいろと貢献をしている別の潜在思想

・いろいろと貢献をした別の潜在思想

　

父親に対する敵意の動きは、夢の中には一つも見あたりません。

父親に対して敵対的な諸々の動きは、一つも夢の中には見あたりません。

　

その子の性的な行為に対して禁圧を加える

その子の性的な活動に反対するsich entgegensetzen

　

思春期を迎えたのちには、この禁圧は

思春期を迎えたのちには、それは

　

・それは幼児の性的威嚇という源泉から

・それは幼児の性的おびえという源泉から

　

歯科医の話を暗示はしますが

歯科医の話を仄めかしanspielenはしますが

　

過度の性行為をしている

過度の性的活動をしている

　

ｐ１５６

「彼は死んでいるのだ」

「彼が死んでいることに」

　

この夢は、人を迷わせるような独特な凝縮を行うことによって、あらゆる観念が潜在思考の中心から脱漏してしまうことによって、およびこれらの観念の中で最も意味深長であり、時間的に最も離れているものに対して曖昧な代理物を作り出すことによって生じたものなのです。

この夢は、奇妙で幻惑的な圧縮を行うことによって、潜在的な思路に由来する全ての思想を看過することによって、およびこれらの思想の中で最も深部にあり、時間的にも最も離れている思想の代わりに多義的な代理形成物を作り出すことによって、生じたものなのです。

　

まっとうで月並な夢

写実的で月並な夢

著作集ｐ７７、ｐ８５およびその正誤表を参照。

　

これは思い出の名残ではありませんでした。

これは追想Reminiszenzではありませんでした。

　

ｐ１５７

・形の変化が起こったのだ

・それ以後の形態が生じたのだ

　

彼女は、性交（彼女は、さわるのも性交だと思っています）の証拠は性器を見ればすぐにわかるということを知っており、このような証拠が現れることを長い間恐れていたのです。

彼女は、性交の徴候（彼女の考えるところによれば接触の徴候）は性器を見ればすぐにわかるということを知っており、このような有罪の証拠が現れることを長い間恐れていたのです。

　

・小児時代に性的好奇心からいろいろ調べてみて、

・幼児の性的探求の時期に、

　

次もまた象徴表現に関する一断片です。

次もまた象徴系に関する一断片です。

　

子供がむしょうに欲しくてたまらなくなるような

子供に対する願望がたまらなく押し寄せてくるような

　

・夢ではよくみられる転倒にあたる

・夢ではよくみられる逆転Umkehrungにあたる

ｐ１４７上段では「逆転」と訳されている語。

　

・彼女の悲しみは相手の男に移されました

・彼女の悲しみは相手の男に移動されました

　

いまこそみなさんは、この非難があたらないものであるという判断をご自分で下しうる立場に立たれたのです。

いまやみなさんは、この非難の不正確さについて自分なりの判断を下しうるところへとすでに到達しています。

　

ｐ１５８

夢の象徴表現

夢の象徴系

二カ所あり。

　

ｐ１５９

象徴に着眼することによって（文庫）

象徴をはめこんでみると（著作集）

著作集の訳を採る。

　

ｐ１６０

・やがて障害が生じた結果できなくなり

・やがて抑制〈Hemmung＝制止〉のせいで放棄し

　

ふたたびそれが始められるようになりたいと望んでいるのです。

ふたたびそれが始められるようになりたいと希望しているのです。

　

ｐ１６１

・彼はある未知の人物に押しつけたので

・彼はある未知の人物に移動したので

　

彼がこの二人の死を願ったのだとしたら

彼がこの二人の死を願望したのだとしたら

　

・『カール王の航海』を連想しました

・『カール王の航海』を連合させました

　

・おざなりの文句を思いついています

・おざなりの文句を着想しています

　

ｐ１６２

いろいろな観点から、みなさんは次の夢に関心を持たれると思いますが、その夢の前提の一つには神経症的な状態も入っています。

次の夢の前提の一つには神経症的な状態も入っていますから、みなさんはこの夢にいろいろな観点から関心を持たれると思います。

　

もしも結婚するつもりでいたら、嫉妬のあまり、しまいには本当に気が狂っていたかもしれません。

結婚するつもりでいた頃の彼の嫉妬の強さときたら、嫉妬のあまり、しまいには本当に気が狂っていたかもしれないほどでした。

　

きっと、衝突するのですよ。

もうすぐ衝突するわ。

　

彼の心理状態を知ることによって

彼の状況を知ることによって

２００１年４月１３日作成／２００３年１月３日増補改訂（改訂分は行頭の「・」で表記）